


大手IT企業で3年半にわたり大手企業向け営業に従事した後、Sansan株式会社にて営業・カスタマーサクセスを経験。その後HubSpot Japanに入社し、提案営業として数百社のHubSpot導入を推進。2024年に株式会社UniteXを創業。夫婦ともにHubSpot出身で、家族でHubSpotにフルコミットする体制のもと、九州エリア初のHubSpot Gold Solutions Partner認定を経て、西日本エリア初のPlatinum Solutions Partnerに認定。AI×CRMで企業の事業変革を支援している。
HubSpotの「ターゲットアカウント」とは、自社がABM戦略において優先的にアプローチすべき企業を管理するための専用機能です。会社レコードの「ターゲットアカウント」プロパティーをTrueに設定することで、その企業が専用の一覧ページに表示され、進捗の追跡・分析が可能になります。
ターゲットアカウント機能は、「どの企業に」「どの優先度で」「誰に対して」アプローチすべきかをCRM上で構造化して管理する仕組みです。有効化すると、以下の3つのABM専用プロパティーが自動作成されます。
| プロパティー名 | 種別 | 役割 |
|---|---|---|
| ターゲットアカウント Target Account |
会社 | ABMの対象かどうかを示すフラグ(True / False) |
| 最適顧客プロファイルのティア ICP Tier |
会社 | ICP適合度に基づく3段階の優先度(Tier 1 / 2 / 3) |
| 購買時の役割 Buying Role |
コンタクト | 購買プロセスにおけるコンタクトの役割(意思決定者、予算管理者など) |
ABM(Account Based Marketing)とは、マーケティング部門と営業部門が連携し、あらかじめ選定した価値の高い特定企業に対して、一社一社に最適化されたアプローチを設計・実行するBtoBマーケティング戦略です。
| 比較項目 | 従来のリードジェネレーション | ABM |
|---|---|---|
| アプローチ対象 | 不特定多数のリード | 選定した特定企業 |
| 起点 | 個人(リード) | 企業(アカウント) |
| 目標指標 | リード数、MQL数 | エンゲージメント、パイプライン貢献 |
| コンテンツ | 汎用的 | 企業ごとにパーソナライズ |
| 部門間連携 | マーケ主導→営業に引き渡し | 初期から営業・マーケが協働 |
BtoBの購買意思決定に関わるステークホルダー数は年々増加しており、一人のリードを獲得するだけでは商談が前に進まないケースが増えています。ABMは企業単位で複数の意思決定者に同時にアプローチするため、この課題に対応できます。
また、CRM・MAツールの普及によるデータの一元管理と、デジタル広告やパーソナライズ技術の進化により、企業ごとにカスタマイズされたコミュニケーションが実現可能になったことも、ABM実践の後押しとなっています。
HubSpotのナビゲーションから [CRM]>[会社] に進み、[ターゲットアカウントを確認] をクリック。画面下部の「はじめに」をクリックすれば有効化は完了です。
有効化すると、3つのABMデフォルトプロパティーが自動作成され、ターゲットアカウントホーム画面にアクセスできるようになります。
追加方法は主に3つあります。用途に応じて使い分けてください。
インデックスページから「ターゲットアカウントを選択」をクリックし、対象企業を検索してチェック。少数のアカウントを個別に追加する場合に最適です。
会社インデックスから一括編集、またはCSVインポートで「ターゲットアカウント」プロパティーをTrueに設定。既存リストがある場合に効率的です。
年間売上高・業種・従業員数などの条件をトリガーにしたワークフローを作成。HubSpotのABM用テンプレート「定義された条件に基づいて会社プロパティーを更新」をベースにカスタマイズするのが効率的です。
追加したターゲットアカウントに対して、自社のICP(理想的な顧客像)との適合度に応じてティアを設定します。
ティアの判定基準は企業によって異なりますが、年間売上高・従業員数・業界・利用中の技術スタック・過去の取引実績などを掛け合わせて設計するのが一般的です。
ターゲットアカウントに紐づく各コンタクトに、購買プロセスにおける役割を設定します。一人に複数の役割を割り当てることも可能です。
最終的な購買判断を行う人物
予算の承認権限を持つ人物
社内で導入を推進してくれる人物
意思決定に影響力を持つ人物
導入を阻害する可能性がある人物
実際に製品を利用する人物
[営業]>[ターゲットアカウント] からアクセスできる一覧ページが、ABM活動全体の司令塔です。画面上部のサマリーKPIで、現在の状況をひと目で把握できます。
「購買時の役割がない」「意思決定者がいない」の2指標は、ABMの質を測るうえで特に重要な警告指標です。これらをゼロに近づけることが、アプローチ精度向上の第一歩となります。
各ターゲットアカウントをクリックすると右側に展開されるパネルで、紐づくコンタクト一覧、取引のステージと金額、Eメール・ミーティング・コールなどのアクティビティ履歴をまとめて確認できます。
分析タブでは、ABM活動の成果を定量的に確認できます。主なレポートには、アクティビティー合計(メモ・ミーティング・Eメールの累計)、月別セールスアクティビティー推移、ターゲットアカウントに紐づく取引のステージ別金額分布があります。
最もよくある失敗は、一度に大量登録してリソースが分散すること。営業担当1名あたり10〜20社を目安にスタートし、運用が軌道に乗ってから段階的に拡大しましょう。
過去の受注データを分析し、「実際に成約した企業に共通する特徴は何か」をファクトベースで特定します。業種・従業員規模・年間売上高・地域・導入済みツール・成長ステージなどが主な判定軸です。
ICP条件合致企業の自動フラグ立て、スコアリング連動のティア振り分け、追加時のSlack通知、一定期間アクティビティがないアカウントへのアラートなどを仕組み化しましょう。
企業名・取引名に基づくSlackチャンネルの自動作成、HubSpot上のアクティビティ変更の自動投稿が効果的です。/hs-report-company コマンドで主要指標をその場で確認することもできます。
LinkedIn AdsアカウントをHubSpotに接続すれば、ターゲットアカウントや特定ICPティアの企業をLinkedInのマッチドオーディエンスに自動同期。意思決定者層にピンポイントで広告配信できます。
長期間アクティビティのないアカウントの除外、新規ICP合致企業の追加、ティアの見直し、購買時の役割情報の更新(担当者の異動・退職への対応)を定期的に実施しましょう。
HubSpotのBreeze Intelligence(有償オプション)を活用すると、自社サイトを訪問した企業のうち、まだCRMに未登録の企業を自動検出できます。「購入者の興味関心」画面から有望企業をワークフローに登録し、自動的にターゲットアカウント化する運用フローを構築できます。
インバウンドの行動データとABMを掛け合わせることで、「自社にすでに関心を持っている企業」にピンポイントでアプローチする仕組みが実現します。
いいえ。ABM機能(ターゲットアカウント含む)は、Marketing HubまたはSales HubのProfessional以上のプランで利用可能です。無料版やStarterプランでは利用できません。
HubSpot側で登録数の上限は設定されていません。ただし、実運用では営業担当1名あたり10〜20社程度で始めることが推奨されます。登録数が多すぎるとリソースが分散し、ABMの効果が薄れます。
会社レコードの「ターゲットアカウント」プロパティーをFalseに変更するだけです。手動での変更のほか、一括編集やワークフローでも解除できます。
はい、むしろ両立が推奨されます。インバウンドで幅広い見込み客を集め、その中からABMターゲットに合致する企業を特定して重点アプローチするハイブリッド戦略が効果的です。HubSpotはインバウンドとABMの両方を一つのプラットフォームで実行できる点が大きな強みです。
「コンタクト」列には、その会社がプライマリー(主たる会社)として設定されているコンタクトのみが表示されます。正確な表示のためには、コンタクトと会社の関連付けが正しく設定されていることが重要です。
はい。Salesforce-HubSpot連携をインストール済みで、HubSpot Visualforceウィンドウを追加している場合は、Salesforce上からもアカウント概要を表示できます。









