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HubSpot公開日 2026.07.03・更新日 2026.08.12UniteX編集部・約10分で読めます

マーケティングコンタクト課金を減らす運用術 — 請求を3割下げた設定レシピ

井元裕樹
監修者株式会社UniteX 代表取締役
井元 裕樹

大手IT企業で3年半にわたり大手企業向け営業に従事した後、Sansan株式会社にて営業・カスタマーサクセスを経験。その後HubSpot Japanに入社し、提案営業として数百社のHubSpot導入を推進。2024年に株式会社UniteXを創業。夫婦ともにHubSpot出身で、家族でHubSpotにフルコミットする体制のもと、九州エリア初のHubSpot Gold Solutions Partner認定を経て、西日本エリア初のPlatinum Solutions Partnerに認定。AI×CRMで企業の事業変革を支援している。

この記事でわかること
  • 結論:この3つの設定で請求額は3割減らせる
  • そもそもマーケティングコンタクトとは?課金の仕組みを正しく理解する
  • レシピ1:フォーム別にマーケティングコンタクト自動設定をオフにする
  • レシピ2:四半期ごとのコンタクト棚卸しワークフロー
  • レシピ3:更新日ルールを味方につける"減らすタイミング"の最適化

結論:この3つの設定で請求額は3割減らせる

「HubSpotの請求が想定より高い」——その原因の大半は、マーケティングコンタクトの"意図しない増加"です。

UniteXが支援した従業員50名規模のBtoB企業では、以下の3つの設定見直しだけで月額請求を約30%削減しました。

施策 効果の目安 所要時間
フォーム別のマーケティングコンタクト自動設定をオフ 新規流入の15〜20%を課金対象外に 10分/フォーム
四半期ごとのコンタクト棚卸しワークフロー 既存の非アクティブを一括で対象外へ 初回2時間、以降30分
更新日ルールを理解した"減らすタイミング"の最適化 ティアダウンで月額を1段階下げる 5分(更新日の確認)

この記事では、それぞれの設定手順を画面操作レベルで解説します。

HubSpotマーケティングコンタクト課金削減の3つの柱を示す図解

そもそもマーケティングコンタクトとは?課金の仕組みを正しく理解する

HubSpotのコンタクトには「マーケティングコンタクト」と「マーケティング対象外コンタクト」の2種類があります。

  • マーケティングコンタクト: マーケティングEメールや広告オーディエンスなど、HubSpotのマーケティングツールで施策対象にできるコンタクト。課金対象
  • マーケティング対象外コンタクト: CRM上で閲覧・管理はできるが、マーケティング施策には使えないコンタクト。無料

つまり、CRMにコンタクトがいるだけでは課金されません。マーケティングコンタクトに「設定されている」コンタクトだけが課金対象です。

2026年8月時点の追加料金テーブル

各プランの基本料金に含まれるマーケティングコンタクト数と、追加時の料金は以下の通りです(HubSpot公式価格表より)。

プラン 基本料金(税抜/月) 含まれるコンタクト数 追加単位 追加料金(税抜/月)
Starter 2,400円〜 1,000件 1,000件 6,000円
Professional 96,000円〜 2,000件 5,000件 30,000円
Enterprise 432,000円〜 10,000件 10,000件 12,000円

ProfessionalとEnterpriseの基本料金は年払い時の最低料金です(月払いの場合Professionalは106,800円/月)。追加料金は最初の価格帯のもので、コンタクト数が増えるほど単価は段階的に下がります。また、Professional以上の新規契約では初回のみ導入支援費用(Professional 360,000円、Enterprise 840,000円)が必須です。

Professionalプランで基本の2,000件を超え、5,000件追加(計7,000件)になると月額30,000円の追加課金が発生します。年間にすると36万円。この追加分を不要にできれば、その分がまるまるコスト削減になります。

課金で見落としがちな3つのルール

  1. マーケティングコンタクトを増やすのは即時反映。減らすのは次回更新日にしか反映されない
  2. ティアは契約期間中にダウングレードできない。次回更新日に適用される
  3. 年間契約の場合、更新日は毎月1日。月額契約は毎月の同日

つまり、「減らしたのに請求が変わらない」のはバグではなく仕様です。この仕組みを知っているかどうかで運用が大きく変わります。

レシピ1:フォーム別にマーケティングコンタクト自動設定をオフにする

HubSpotフォームには、送信したコンタクトを自動的にマーケティングコンタクトに設定するデフォルト機能があります。これが"意図しない課金増加"の最大の原因です。

どのフォームをオフにすべきか?

すべてのフォームでオフにするのではなく、マーケティング施策に使わないフォームだけをオフにします。

フォーム種別 マーケティングコンタクト設定 理由
資料請求・ホワイトペーパー オン(デフォルト) ナーチャリング対象
セミナー申込 オン(デフォルト) フォローアップメール配信対象
お問い合わせ(一般) オフに変更 営業対応のみ、メール配信不要
採用エントリー オフに変更 マーケティング施策の対象外
サポート・技術問い合わせ オフに変更 カスタマーサポート用途
社内用フォーム オフに変更 従業員向け。課金対象にすべきでない

設定手順(画面操作)

  1. HubSpotにログイン → 「マーケティング」>「フォーム」 に移動
  2. 対象フォームをクリックして編集画面を開く
  3. 「オプション」 タブをクリック
  4. 「新規コンタクトをマーケティングコンタクトに設定」のスイッチを オフ に切り替え
  5. 「更新」 をクリックして保存

外部フォーム連携も忘れずに

HubSpot以外のフォームツール(Typeform、Googleフォームなど)と連携している場合、デフォルトではそこから入ったコンタクトもマーケティングコンタクトになります。

「設定」>「マーケティング」>「フォーム」 から「HubSpot以外のフォームから作成された新規コンタクトをマーケティングコンタクトに設定」スイッチをオフにしてください。

実務のコツ: フォーム設定を変更したら、スプレッドシートにフォーム名・用途・マーケティングコンタクト設定のON/OFFを一覧化しておくと、新しいフォーム作成時に判断がブレません。

レシピ2:四半期ごとのコンタクト棚卸しワークフロー

フォーム設定だけでは「すでにマーケティングコンタクトに入ってしまった不要なコンタクト」は減りません。定期的な棚卸しが必要です。

マーケティングコンタクト棚卸しワークフローのステップ図解

棚卸し対象の選定基準

以下の条件にすべて該当するコンタクトは、マーケティング対象外に変更する候補です。

条件 フィルター設定例
直近180日間にメールを開封していない 「最後のマーケティングEメール開封日」が180日以上前
直近180日間にWebサイト訪問がない 「最後のアクティビティー日」が180日以上前
商談が進行中でない 「取引ステージ」がクローズ済みまたは空
バウンスメールでない 「Eメールのハードバウンスの理由」が空

手動での棚卸し手順

  1. 「CRM」>「コンタクト」 に移動
  2. 上記のフィルターを設定し、絞り込んだリストを「ビュー」として保存
  3. 該当コンタクトを全選択
  4. 「その他」>「マーケティング対象外に設定」 をクリック
  5. 確認ダイアログで 「更新」 をクリック

ワークフローで自動化する(Professional以上)

Professional以上のプランであれば、ワークフローで棚卸しを自動化できます。

ワークフロー設定例:

  • トリガー: コンタクトベースのワークフロー
  • 登録条件: 「マーケティングコンタクトステータス」がマーケティングコンタクト AND 「最後のマーケティングEメール開封日」が180日以上前 AND 「最後のアクティビティー日」が180日以上前
  • アクション: 「マーケティングコンタクトステータスを設定」>「マーケティング対象外に設定」
  • 再登録: オンにして、条件に該当したら自動的に対象外へ

注意: ワークフローで対象外に設定しても、反映は次回更新日です。ワークフロー実行=即時反映ではない点に注意してください。

棚卸しの推奨スケジュール

タイミング やること
毎月の更新日の1週間前 フィルタービューで対象候補を確認
四半期ごと(1月・4月・7月・10月) 棚卸しを実施し、対象外への切り替えを実行
年次更新の1ヶ月前 大規模な見直し。ティアダウンの可否を判断

レシピ3:更新日ルールを味方につける"減らすタイミング"の最適化

マーケティングコンタクトの最大の落とし穴は、「減らすタイミング」を間違えると、効果が1ヶ月ズレることです。

更新日の確認方法

  1. HubSpotにログイン
  2. 右上の アカウント名 をクリック → 「アカウントと請求」
  3. 「使用と制限」 タブ → マーケティングコンタクトの項目を確認
  4. 「次回の更新日」が表示されている

更新日を活用した最適なアクションスケジュール

更新日の2週間前  → 棚卸しフィルターで対象者を洗い出す
更新日の1週間前  → マーケティング対象外に設定(予約状態になる)
更新日当日       → 対象外が反映され、翌月のティアが下がる
更新日の翌日以降 → 新しいティアで課金スタート

ティアダウンで削減できる金額シミュレーション

Professionalプランで現在7,000件(基本2,000件+追加5,000件)のマーケティングコンタクトを持つ企業が、棚卸しで2,500件を対象外に設定し4,500件にした場合:

項目 Before After
マーケティングコンタクト数 7,000件 4,500件
追加ティア +5,000件 なし(基本2,000件+追加5,000件の枠内)
追加料金/月 30,000円 30,000円
次回更新で適用後 追加料金0円
年間削減額 360,000円

※ティアは5,000件単位のため、4,500件は基本2,000件の次のティア(7,000件枠)に収まっていますが、更新時に2,000件枠へのダウングレードを申請すれば追加料金がゼロになります。ただし、4,500件全員にマーケティング施策を打つ必要がある場合は追加ティアが必要です。実際の削減額はコンタクト数とプランにより異なります。

更新日を活用したコスト削減タイムラインの図解

やってはいけない3つのアンチパターン

1. 全コンタクトを一括で対象外にする

「コスト削減だ!」と全コンタクトをマーケティング対象外にすると、進行中のメールシーケンスやワークフローが停止します。必ずアクティブな施策を確認してから実行してください。

2. 更新日を過ぎてから対象外にする

更新日を1日でも過ぎると、対象外への反映は翌月の更新日になります。「ギリギリに間に合えばいいや」は危険です。余裕を持って1週間前には設定しましょう。

3. 減らした後に再度マーケティングコンタクトに戻す

一度対象外にしたコンタクトを再びマーケティングコンタクトに設定すると、即時にカウントされ、ティアが上がる可能性があります。戻す前に現在のティア残数を必ず確認してください。

運用チェックリスト:月次で5分の確認項目

毎月の更新日前に以下を確認するだけで、意図しない課金増加を防げます。

  • [ ] マーケティングコンタクト数が契約ティアの上限に近づいていないか
  • [ ] 直近に追加したフォームのマーケティングコンタクト設定は適切か
  • [ ] 180日以上未開封のコンタクトが増えていないか
  • [ ] 次回更新日はいつか(対象外への切り替え期限の逆算)
  • [ ] バウンスしたメールアドレスがマーケティングコンタクトに残っていないか

まとめ

HubSpotのマーケティングコンタクト課金は、仕組みを正しく理解し、3つの設定を整えるだけで大幅に最適化できます

施策 ポイント 期待効果
フォーム設定の見直し 不要なフォームのマーケティングコンタクト自動設定をオフ 新規流入の15〜20%を課金対象外に
四半期棚卸し 180日未アクティブのコンタクトを対象外に 既存コンタクトの20〜30%を対象外に
更新日ルールの活用 更新日の1週間前に対象外設定を完了 ティアダウンで追加料金を削減

大切なのは「コンタクトを減らす」のではなく、「マーケティング施策に使わないコンタクトを対象外にする」という考え方です。CRMとしてのデータは維持しつつ、課金だけを最適化する。これがHubSpotの仕組みに沿った正しいコスト削減です。

よくある質問(FAQ)

Q. マーケティング対象外にしたコンタクトのデータは消えますか?

いいえ、消えません。コンタクトレコード・活動履歴・取引との紐付けはすべて維持されます。CRMとしての閲覧・管理は通常通り行えます。マーケティングEメールの配信対象や広告オーディエンスに含められなくなるだけです。

Q. 対象外にしたコンタクトにもセールスメール(1対1メール)は送れますか?

はい、送れます。マーケティングコンタクトの設定は、あくまで一括配信のマーケティングEメールやフォーム、広告に影響します。CRMからの個別メール(セールスメール)は影響を受けません。

Q. フォームの設定を変更すると、過去に送信したコンタクトにも影響しますか?

いいえ、設定変更は変更後に新しくフォームを送信するコンタクトにのみ適用されます。過去のコンタクトのステータスは変わりません。過去のコンタクトを対象外にするには、手動またはワークフローで個別に設定する必要があります。

Q. Starterプランでもワークフローで自動棚卸しはできますか?

いいえ、ワークフロー機能はProfessional以上のプランで利用できます。Starterプランの場合は、手動でフィルタービューを使って定期的に棚卸しを行ってください。リストのフィルター機能自体はStarterでも使えます。

Q. マーケティングコンタクト数はリアルタイムで確認できますか?

はい。「設定」>「アカウントと請求」>「使用と制限」 から、現在のマーケティングコンタクト数・契約ティア上限・次回更新日をリアルタイムで確認できます。

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